猫エイズや猫白血病について、最近SNSなどでさまざまな意見を目にすることが増えました。
「隔離するのはかわいそうなのでは?」
「差別ではないの?」
そんな声を見かけて、猫と暮らしたことがある方なら、きっと一度は考えたことがあるテーマだと感じています。
私自身は、キャリアを持っていない保護猫を迎えましたが、だからこそ、キャリアを持つ猫たちが置かれている状況について、少し立ち止まって考えてみたいと思いました。
※ここで言う「隔離」は、罰や排除ではなく、健康管理と譲渡の選択肢を守るための区分です。
猫エイズ・猫白血病は「正しく知れば怖い病気ではない」
まず、前提として。
猫エイズ(FIV)と猫白血病(FeLV)は、正しく知れば、過度に怖がる必要のない病気です。
感染経路は限られている
主な感染経路は、激しいケンカによる咬傷と交尾です。
日常生活での感染リスクは、低いとされています。
食器の共有やグルーミング程度では、感染リスクは高くありません。
キャリア=すぐ発症ではない
キャリア猫だからといって、必ず発症するわけではありません。
生涯発症せず、普通に暮らす猫も多くいます。
定期的な健康管理が大切になりますが、キャリアだからといって、すぐに命に関わるわけではないのです。
それでも「キャリア持ち」の里親候補が減る理由
ここからが、この記事の核です。
感染リスクが低いことは、わかっている。
でも、それでも「キャリア持ち」の里親候補が減るのは、なぜでしょうか。
感染リスクが低くても「ゼロではない」
「リスクが低い」と「リスクがゼロ」は、違います。
先住猫がいる家庭ほど、慎重になります。
「もし、万が一、先住猫に感染したら」
その不安は、決して不自然なものではありません。
すぐには発症しないとわかっていても、不安になって当然です。
人間もこの腫瘍はまだ悪性ではないので大丈夫です、と言われてもいつ悪性になるかわからなければ不安になりませんか?
これは差別ではなく、家族として迎える上での慎重さ
これは差別というより、家族として迎える以上、慎重になるという人間の心理だと思います。
先住猫の安全を第一に考えること。
それは、飼い主としての責任でもあります。
だから、キャリア猫を迎えることに躊躇する気持ちは、責められるものではないと、私は思います。
保護シェルター・保護主さんが置かれている現実
次に、保護現場の現実について、お話しさせてください。
ほぼすべての現場がキャパオーバー
保護シェルターや保護主さんは、現状ほぼすべての現場がキャパオーバーです。
スペース、人手、医療費。
すべてに限界があります。
全体の譲渡率を考えた判断
その中で、より多くの猫を無理なく里親さんにつなげるためには、どうすればいいか。
キャリアの有無で分ける判断は、命を軽く見ているからではなく、より多くの猫を無理なく里親さんにつなげるための選択です。
限られたリソースの中で、一匹でも多くの猫を助けるための、苦渋の決断なのです。
「善意の指摘」が現場を苦しめてしまうこともある
SNSでは、「隔離はかわいそう」「差別ではないか」という声を見かけます。
その気持ちは、わかります。
でも、善意の指摘が、現場を苦しめてしまうこともあるのです。
知識があっても、現場条件は外から見えない
「感染リスクは低い」という知識は、正しいです。
でも、現場の条件は、外から見えません。
スペースの限界、人手不足、医療費の問題。
そして、里親候補が減ることへの不安。
善意でも、結果として里親候補を減らす可能性
「隔離しなくても大丈夫」という声が広がることで、
「隔離していること自体が問題なのではないか」と受け取られてしまうリスクもあります。
結果として、里親候補が減ってしまう可能性もあるのです。
一番苦しいのは、保護主さん
一番苦しいのは、保護主さんです。
キャリア猫を隔離するのも、隔離しないのも、どちらも悩んで決めたこと。
その判断を、外から責められたら、どう感じるでしょうか。
キャリア猫と暮らす選択肢も、確かにある
ここで、バランスを取るために、もう一つお伝えしたいことがあります。
キャリア猫を理解した上で迎える人も、確かにいます。
単頭飼育・同キャリア同士など
単頭飼育や、同じキャリア同士で迎えるなど、環境が整えば、キャリア猫と暮らすことは可能です。
初めて猫を迎える方でも、問題なく暮らせるケースは多くあります。
情報があるからこそ、選べる
情報があるからこそ、選べるのです。
「キャリア猫は迎えない」という選択も、「キャリア猫を迎える」という選択も、どちらも尊重されるべきだと思います。
猫エイズ・猫白血病についてよくある質問
ここで、よくある質問にお答えします。
Q1. 猫エイズ・猫白血病は人にうつりますか?
A. うつりません。
どちらも猫特有のウイルスで、人や他の動物に感染することはありません。
Q2. 一緒に暮らしているだけで、他の猫にうつりますか?
A. 日常生活での感染リスクは低いとされています。
主な感染経路は、激しいケンカによる咬傷や交尾です。
食器の共有やグルーミング程度では、感染リスクは高くありません。
相性の良い猫同士で、ケンカや噛みつきを伴うじゃれ合いがなければ、感染リスクは低いとされています。
ただし、医学的に「絶対に感染しない」と言い切れる病気はありません。
人の病気と同じように、猫の病気にも「可能性が低い」という表現しかできないのが現実です。
Q3. キャリア猫はすぐに発症しますか?
A. 必ず発症するわけではありません。
生涯発症せず、普通に暮らす猫も多くいます。
定期的な健康管理が大切になります。
Q4. キャリア猫を迎えるのは、初心者には難しいですか?
A. 一概に「難しい」とは言えません。
単頭飼育や、同じキャリア同士など、環境が整えば、初めて猫を迎える方でも問題なく暮らせるケースは多くあります。
外からできる一番の支援とは
最後に、外からできる支援について、考えてみたいと思います。
判断を尊重する
保護主さんが、どんな判断をしたとしても、その判断を尊重すること。
それが、一番の支援だと思います。
正しい情報を静かに共有する
「感染リスクは低い」という情報を、静かに共有すること。
煽らず、責めず、ただ知識として伝えること。
それが、キャリア猫への理解を深めることにつながります。
保護活動は、正解が一つではありません。
だからこそ、現場の判断を尊重することも、大切な支援のひとつだと感じています。
まとめ
私自身は、キャリアを持っていない猫を迎えましたが、もしこれから初めて猫を迎えるとしたら、キャリアを持つ猫も、選択肢のひとつとして考えていたと思います。
初めて猫を迎える方ほど、不安になるのは当然です。
だからこそ、キャリアの有無だけで「良い・悪い」ではなく、環境と理解で選べることを知ってもらえたらと思います
でも、正しい知識を知った上で、その子の個性や環境に合った暮らし方を選べば、キャリアの有無だけで「難しい」と決める必要はないと感じています。
「迎えない人」も「迎える人」も、どちらも否定しない。
保護現場の判断も、尊重する。
それが、私が大切にしたい考え方です。
同じように悩んでいる方の、参考になれば嬉しいです。
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